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日記

2016-08-09

無題2/2


「日が当たると、あなたの髪は金色の輪を作ったわ。それが絵本の妖精のお姫様のようで、とても綺麗だったのよ」
 あの時よりもずっと落ち着いた容貌になった彼女が、そう言って眉尻を下げて笑いますので、私も同じように、あなたの髪は金色に透けていて、私もあなたを絵本の妖精のお姫様のようだと思っていました、と返しました。きっと表情もまた彼女とおなじで、困ったような笑顔をしていた事でしょう。
 時刻はすっかり夕方をさしておりました。
 金木犀の咲く季節ではありませんでしたが、空が夕日で金色をしておりました。けれども彼女の髪はもう金色には染まらず、私の髪ももう金色の輪を作りません。
 それは全くおかしな事でした。
「お名前を聞いても?」
 自分の名を名乗った後に尋ねますと、彼女は首を振りました。
「明日。明日、また会えないかしら。あの時はお約束も出来なかったでしょう? 私はずっと後悔していたの。名前はその時にお話ししたいわ」
 まっすぐに私を見る瞳の中に、似合わない茶色の髪をした私が映っていました。
 彼女が何を望んでいるか、私にも分かる気がいたしました。
「ではその時は、元の私達で会いましょう」
 黒い髪の引っ込み思案な私と、薄茶色の髪の内気なあなたで、また友達になりましょう。
 彼女は笑って頷いてくれました。


 その日から私の髪はまた墨のように真っ黒で、重たく垂れ込めています。彼女の髪は人ごみで浮く程の薄茶色で、天気の悪い日には絡まりつつも緩く波打っております。
 けれどもあの時とは違って、私達はもう互いにこの色を嫌いな訳ではないのです。






メモ書き用に。
多分その内どっかにまとめてつっこむ。
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